みなさん、おつかれさまです!職場のメンタルヘルス・健康管理に関する情報をお届けします、山本舎(やまもとや)です。
今回取り上げさせて頂く話題は「休職・通勤訓練」です。
私の勤務先のリワーク(復職訓練施設)に於いて、利用者様であるお客様からよく質問をお受けする”通勤訓練”。
簡単に言うと、精神科・心療内科領域に於いては『メンタル不調によって休職していたスタッフが主治医・産業医の判断で復職可能となった後、正式復職前に行う職場でのリハビリ出勤訓練の前に導入する訓練』を指します。
職場によってその仕組みの有無があり、また、中身も違います。
休職から復職への流れも全く分からないという方もおられると思いますので、その情報と大体の職場に当てはまるような内容をお伝えしていきます。
また、休職〜通勤訓練の続編でリハビリ出勤訓練〜復職の流れも今後お伝えします。よろしければ、ご一読下さい。
休職の診断書の発行や期限の延長について
心身の不調によって休職をする場合、主治医の診断書が必要となってきます。
メンタル不調であれば精神科・心療内科、骨折やアキレス腱などのケガであれば整形外科、脳血管系の疾患で身体の麻痺が残りリハビリが必要な方は脳神経内科など通院されている主治医と患者様の相談で主治医が判断した上で、休職の診断書が発行されます。
それを職場の人事課に提出し、受理されれば休職できるという仕組みになります。
復職される時には、復職可能の診断書が主治医より発行され、上記同様に職場に提出します。
休職の期間については、症状の程度によって主治医が療養に必要と判断した期間となります。
精神科・心療内科に於いては1ヶ月〜6ヶ月単位で診断書を出されることが多いですが、よく患者様やお客様が勘違いされることがあります。
主治医から”3ヶ月”の休職の診断書が発行されたので「3ヶ月以内に治して復職しなくてはならない」と思ってしまわれることです。
そうなると、焦りが生じてゆっくりと療養できなくなる方が多いです。休職しても、休職の意味がなくなりますよね。
安心してください、診断書の期限が迫るまでに体調に応じて”休職の延長”という判断がなされます。
ここで大切なことがあります。
主治医が「大丈夫、復職できるでしょう」と言っても、ご本人の体調が不安だったり、復職できる自信がない場合は患者様から正直に「不安です」「まだ、体が辛いです」と仰って下さい。
私がお客様やブログでよくお伝えするのですが“心や精神の辛さ、不調は目に見えたり数値ではかれるものではない”ということ。
主治医からの“大丈夫”という言葉は自信にもつながったり、元気のモトになります。その言葉に励まされて、やる気が出て行動できることにもつながります。
ですが、その言葉を聞いた時に患者様が不安だったり、
復職を想像した時に復職のイメージが湧かない時は、遠慮なくその気持ちや考えを主治医に話してください。
そうすることで必要な休職期限の判断をしてもらえます。
休職期限延長の診断書が発行された時の連絡手段
休職の診断の延長の判断が出ましたら、速やかに職場に報告しましょう。
メール・電話・LINEでも可能ですが、職場によっておすすめされる連絡手段が違う場合はそれに従って行います。
話は少しそれますが、職場からは「休職や復職のことは、電話で連絡してきて下さい」という指示があった場合。「電話しなきゃ」という思いがありながらも、心身の状態が辛かったり、重くて職場に電話をすることが億劫になる方が結構な割合でいらっしゃいます。
そういう時は、電話でなくてもメールでも可能です。または、目につきやすいショートメッセージでも可能です。
電話連絡が遅れて、職場の方に心配をかけるよりは何らかの手段で一報入れた方が良いですよね。
また、ご本人から連絡することが困難な場合、ご家族や知人の方からの連絡も可能です。事情を伝えれば、職場の方も理解して下さいます。
また、職場からの連絡を行う場合も連絡先が複数あった方が安心材料となります。
主治医に“復職可能”と診断をされた時の流れ
“休職して自宅療養やリワーク通所等によって心身の調子が整って復職意欲が出てきた、そして主治医より復職可能と診断されて、診断書が発行された。”
その後の流れは『職場の上司や人事課に診断書の提出→産業医または上司・人事面談により復職可否の判断がなされる』となっています。
文章の下に、休職〜復職の流れを図にしたものを載せていますのでご参照下さい。
職場に産業医や健康保健スタッフが不在の場合は主に上司、教員の方であれば校長と面談が行われます。
その際には、産業医の役割をする職場外部医師(クリニックや病院所属の医師)の診断を仰ぐことが多いです。
復職可否の為の面談は職場によっても、実施される回数が異なります。
復職直前に一回だけ実施される職場もあれば、復職判断時期より前から面談を数回重ねて復職に向けてのコミュニケーションを図る職場もあります。
次に最終的に産業医・上司・人事課との面談で復職可能と判断されてからの流れを挙げます。
職場で“復職可能”と判断されたあとの流れ
ここからの流れは職場によって大きく異なる印象です。
・通勤訓練を実施する(休職中の扱いで実施)
・リハビリ出勤を開始する( 〃 )
・通勤訓練やリハビリ出勤訓練なしで正式復職+フル出勤での復職を開始
・ 〃 +時短勤務での復職を開始 など
次に、通勤訓練の説明と、よくある通勤訓練のパターンについてお伝えします。
通勤訓練について
通勤訓練を行うタイミングは、復職判定の前か後に行われます。
復職の判定前に行われるメリットは職場復帰可能という判断を、通勤が可能かどうかも含めて判断されるので復職判定をされた時にご本人の復職への安心感につながります。
- 職場に通勤するための訓練。
- リハビリ出勤訓練と混同しやすい制度。
- 通勤訓練とは、職場内または職場近くまで通うトレーニング。
- 制度のない職場であっても、職場との相談でトレーニング可能となる場合もある。
- 制度がある職場もある。
- 職場によっては通勤訓練が復職前に必須という所もある。
- できれば主治医に、通勤訓練を導入しても良い時期か否かを確認の上、実施するとより安心。
職場に行くことに慣れるための制度なんですね!なるほど
自宅療養やリワークを経て、主治医が復職可能という判断をして
その後に出勤時間に職場に向かおうとすると
恐怖心や不安を感じる方もいます。
不安や恐怖を感じると辛いと思います。
復職前にそういった経験をしておく方が、進路を考え直したり
復職へのステップを修正することができるメリットがあります。
通勤訓練の内容や段階
こちらも職場によって大きく異なりますので以下に実際にあった例を挙げます。
①出勤時間に家をでる為の支度ができる
②出勤時間に職場の方向に向かって進むことができる→電車通勤の方は駅方向に歩ける/車通勤の方は通勤路に出ることができる
③職場手前まで通勤できる→電車通勤の方は最寄駅〜職場手前まで/徒歩・車通勤の方は職場手前の信号や交差点まで進むことができる
〜ここまでの段階は職場の許可は不要ですが、職場付近に行くので上司に一報入れましょう〜
④職場敷地内または建物の中に入ることができる→この段階は職場の許可が必要です。社員証がないと入れない会社もあるので、実施までに確認をしておきましょう。
④の段階では、職場の方からの提案で出勤簿を作り通勤訓練ができたら印鑑を押してもらう仕組みを用意してもらえることもあります。
通勤訓練の期間
職場から指示がない限り、期間や頻度は自由です。
職場近くまで行ってみて、大きな問題がない場合は、週3回程度の実施で終了する方もいます。
週5日通勤訓練を1か月続ける方もいます。続ける程に自信がつき、復職時には大きなギャップを感じルことなく通勤できます。
頻度・期間は自由ですが、大切なポイントを以下に挙げます。
- 『月曜は一度は実施してみる』→週初めの月曜は大体誰もが休み明けで気だるさを感じる為。
- 通勤時間に家を出る段階や職場の建物を見て、気分不良や動悸等を感じた時は中止すること→体の反応が出ている所を無理すると症状の悪化につながることが多い。主治医に相談しながら通勤訓練を続けていくのかどうかの判断を仰ぐことが必要。場合によっては、職場への恐怖心が拭えず退職や転職を考える必要があるケースもある為。
まとめ
最後までお読み頂きましてありがとうございます。
多くの方が休職をする経験がほとんどない為に、復職時の手順のことを考えただけでも不安になる方もいると思います。職場によっても、復職までの流れが明確でないところもあります。
皆さんに少しでも参考にして頂ければ幸いです。ご不明なことがございましたら、ぜひ〈お問合せ〉下さい。
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