みなさん、おつかれさまです!職場のメンタルヘルス・健康管理に関する情報をお届けします。今回、取り上げさせて頂く話題は「上司・体調管理」についてです。
職場に於いて不調を来した方や来しそうな方が増えると、上司や先輩、リーダー的役割に当たっている方の悩みや考え事が増えます。
上に立つ立場の方々は、部下や後輩の心身の状態を把握することも役割の一つです。
必要があれば人事課・健康管理スタッフ・心療内科・精神科との連携を図り、必要な対処を行うことも業務の一つだからこそ負担が増えてしまいます。
職場の上の立場の方が、不調を来した部下や後輩の対応方法についての記事はよく見かけるのではないでしょうか。
これらの対応をするにも上司みなさんの体調が安定している方が適切な判断を伴った行動を取れると考えます。
しかし、リワークの現場から見える状況は上司・先輩の皆さんご自身の体調管理まで手が回っていないのではないかと心配になります。
今回は、職場でその場で行える上司・先輩の体調管理の方法に焦点を当ててみます。
上司の業務の一つに”部下の健康に関する管理も含まれる”と認識されることが多いのです
上司の立場の方の自分の健康管理への意識はどれくらい?
上司ご自身の健康管理は、どれくらいの方が”できている”と思っているのかという疑問が湧きませんか?
まず、この疑問について考えてみたいと思います。
上司とは?役職名や平均年齢とは?
記事の冒頭より”上司”と表現していますが、日本の一般企業における上司に該当する役職と年齢についてここで触れてみます。
”上司”とは、以下のように説明されています。
上司(じょうし)は、組織において自分より上位の役職に位置し、自分に対して指揮命令・監督などの権限をもつ人物のこと。
ウィキペディア
次に日本の一般企業における役職についてご紹介します。
- 主任: 現場のまとめ役、一般社員としてのスキル等が一定以上となって就く役職
- 係長:メンバーの業務をうまく進行する役割、部長・課長や現場とのパイプ役を担う
- 課長:課全体のまとめ役、部下の指導・育成、現場改善を担う。管理職にあたる
- 次長:部門責任者の代理や部長の補佐的役割を担う
- 部長:部署の責任者として最終的な意思決定をする役割を担う管理職
- 本部長:事業本部の最高責任者を指すことが多い
- 常務取締役:社長を補佐して会社の運営に関わっていく役割を担うことが多い
- 専務取締役:社長を補佐して会社の全般的な管理業務を担うことが多い
- 代表取締役社長:会社外部に対する責任者、社長と兼任をしている会社もある
参照:kaonavi
次に「上司」と言われる人の平均年齢について挙げていきます。データは厚生労働省 令和4年度“役職別にみた賃金”(男女計)より抜粋してます。
- 部長級 52.7歳
- 課長級 48.8歳
- 係長級 45.4歳
若い世代の方が上司、部下が年上という会社が増えているとは言え、いわゆる“中年期前期=40〜55歳”と言われる方々が上司になっている印象です。
40〜55歳の方が自分の体に向ける意識
中年期前期に起こり得る環境や心身の変化は、先ほどお伝えしましたように上司や管理職といった立場に変わり、体調としては疲労回復に時間を要します。
それに関連して、気持ちにも疲れを感じることが増えることで今までのやり方では「体調管理がうまくいかないな」と感じることで健康に関心をもつ方が増えると言われています。
実際はどうなんでしょう?
お客様の中では、早めに体調変化のサインを見逃してしまって辛い思いをしている方や、体のサインに気づかない方も多いです。
体への意識の向け方って、ひとそれぞれなのかな
明治安田生命「健康」に関するアンケート調査(2019年9月5日まとめ)を参考に、40〜55歳の方々の健康に関する意識について挙げていきます。
- 将来の健康に不安を感じている‥20〜30代と比べ男女ともに多い。しかし、60代以上の方の方が不安は大きい。
- 健康に関する不安はどんな不安?:40代男性・50代女性は他世代と比べ少し肥満が気になる、脳梗塞や心筋梗塞への罹患の怖さは50代女性が若干強く感じている。
- 普段から健康に気をつけている‥男女とも50代以上の方が他世代より気を付けている。
- 健康の為に行っていること:男女ともに体操が人気
- 糖質や塩分を控えている。
- 40代女性は家事などに追われて睡眠不足と感じている。
アンケートの内容では他に「体力の衰えが気になる」「ストレスが溜まっている・精神的に疲れると感じる」「がんの罹患への怖さがある」が挙げられていました。
予想に反し、若い世代と比べ上記については大きな差はありませんでした。
健康に気をつけている具体的な内容としては年代による特徴的なことは見受けられませんでしたが、健康管理への意識は若い世代より高い印象を受けました。
疲れはその時に手当てを!まずは、疲れサインを知ることから
【その時の疲れはその場で手当てをしましょう】と某入浴剤CMのフレーズのような文言ですが、リワークの現場ではこちらをよくお勧めしています。
どの年代の方にもお勧めしていますが、多忙な上司の方には特にお勧めします。
⭐︎「なんとなく体調がいつもと違う‥まあ気のせいか」でなんとなく体調がいつも通りに戻っている。
→この繰り返しは、疲労を育てています!
⭐︎「なんか疲れているけれど‥あとから気にしたらいいか」
→上司・部下やお客様との仕事で時間はもういっぱい詰まっている‥体の手当ての時間は取れますか?
⭐︎「長年の経験から、仕事と自分の付き合い方はわかっている。だから後からゆっくり手当てしたらいい」
→若い頃と比べて体調は変化しているものです。
私自身もこういった経験がありますし、普段から積極的に体力づくりをしている方であっても、上司世代の方で急に体調不良となるケースをよくお見かけします。
これらの理由から、疲れを感じたらすぐに手当てしてみることが必要です。仕事を継続する為にという理由も大切ですが、健やかな日常生活を送る為にも必要だと思って頂けたら幸いです。
疲れサインを知ろう!
みなさんは、ご自身の疲労サインをご存知ですか?
リワークに来られる方の多くは全くご存知なく、リワークに来られて初めて「自分の体に意識を向けるようになった」と仰る方が意外に多いです。
みなさんがイメージしやすい疲労サインは、「だるさ」「睡眠のしづらさ」「朝の起きづらさ」ではないでしょうか。他に、意外と広く知られていないサインが「体の痛み」も含まれると言われます。
リワークの現場でみなさんとよくお話しているのですが、「一般的な疲労サインに挙げられるものの中に体にとっての『赤信号サイン』と捉えましょう」とお勧めしているサインがあります。
それは「睡眠のしづらさ」です。
個人個人で感じる程度にもよるのですが、他のサインも赤信号と捉えた方が良いものもあります。
ここで言う、赤信号とは休職中のリワーク利用者様にとっては“主治医への受診”を指すような体の変化です。
リワークでよくお見受けする疲労サインをご参考に
疲労サインの中でも、身体的に感じるもの・精神的に感じるものがあるとリワークの現場では感じています。
食べ過ぎる/水分を摂り忘れる/目のかすみ/目薬の頻度が増える/足や腕の張り等
言葉の出づらさ/忘れ物/報連相やルーティンワークにしていることを行おうとした時に億劫感がある/いつもより声が出づらい感覚がある等
精神的疲労は“脳疲労”とも言えます。ご自身では気づかないサインに周りの方が気づいて下さることもあります。
こういった気づき方もありますので、声をかけて下さったら「大丈夫です」と言わずに「いつもと様子が違いますか?」「気づいていないので教えて頂いてもよろしいですか?」と教えてもらうことをお勧めします。
次に仕事中に疲労サインに気づいた時に、その場で行える対処法を挙げます。リワークの現場で実際にお客様が実施しやすい方法で且つ職場復帰の後に「これは役立った」と仰っていた方法を挙げます。
疲労サインに気づいたら→その場でできる対処法
- 目を閉じる:デスク・トイレでもOK→コストゼロ、目を閉じることで脳を休ませることができると言われています。
- アロマなど好きな香りをかぐ:ティッシュに香りをつけておいてポケットに入れておく方法がおすすめ。香りの好みには個人差があることをお忘れのないよう。
- お茶やコーヒーを飲む時にひと工夫:「これは休憩タイム♨︎」と思いながら飲む。
- お気に入りの写真をみる:引き出しやスマホの待受に忍ばせておいて、気分転換に!
疲労への対処た回復方法と言うと「帰宅してから〇〇しようかな」とか「帰宅途中にマッサージに行こうかな」という発想をすると思いますが、これ以外にその場でできる方法もぜひ用いて頂きたいと思います。
上に挙げた方法は、地味な方法ですがサインに気づいたすぐに手当てして頂けると体のもち具合が違うと感じて頂けることが多いです。
まとめ
最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。
職場のみんなが健康に過ごす為には、それぞれの健康への興味と調整を続けることです。しかし、仕事に集中すると健康への興味を削がれてしまうことが多いです。
その職場に於いて、経験のある上に立つ立場の方が部下や後輩の健康管理を行うことも業務のひとつです。
【自分のことも部下や後輩の健康管理も大切に】という意識をもちながら、職場みんなで健康維持への意識をもてるようになれば良いですね。
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